家族同様に毎日をともに過ごしているかわいいペットですが、時に注意しなくてはならないことがあります。私たち人間とペットとは、やはりどうしても生態が違っているために、ペットから病気をもらってしまうということがあります。
その中のひとつが「オウム病」というものです。
このオウム病ですが、特に妊婦さんが気を付けてなくてはならない…と言われています。
オウム病というのは、オウムだけではなくて実は「インコ」からの感染がもっとも多いと言われている病気です。
また、インコやオウム以外でも、ハトや鳥類以外の小動物から感染することもあると言われていますので、感染の危険性はどこにでもあるということになります。
オウムたちの分泌物や、乾燥したフンが空中を舞うことで吸い込んでしまい、感染します。
これに含まれる菌が血液の流れに乗ることで全身に運ばれてしまったり、細胞の中で菌がどんどん増えてしまうために体の奥へ奥へ…と染み渡るように増殖していきます。
インフルエンザの症状と似ているので、要注意!
早めに治療しないと、肺炎がひどくなり、呼吸困難になったり、髄膜炎になってしまうことがあります。
オウム病の原因菌は「クラミジア」の一種です。
実はクラミジアと言ってもおもに4種類があり、よく知られている性病の原因菌が「クラミジア・トラコマチス」。
オウム病の原因となるのは「クラミジア・シッタシ」と呼ばれる種類のもので、別の菌です。
クラミジア・トラコマチスは人にしか感染しないのですが、クラミジア・シッタシの方は人と鳥類に感染する菌となっています。
つまり、いわゆるクラミジアとオウム病はまったく別の病気です。
万が一妊婦さんが感染してしまったら、重症化し菌が全身にまわってしまうことで、敗血症(全身が炎症を起こしている状態)になります。
そうすると、血液に異常が起こるため早産・流産・胎児死亡などの可能性があると言われていて、さらに肺炎・肝炎・胎盤不全といった重い症状があらわれることもあります。
この菌に感染すると、発症するまでの潜伏期間は4~19日ほどなので、症状によってはまずインフルエンザが疑われます。
このことから、妊娠中はペットの鳥と口移しでエサを与える…など、密接な接触は避けるべきだとされています。
万が一オウム病に感染しても、きちんと適切な抗菌薬(抗生物質)を投与することで完治させることができます。
薬を服用して、症状がある程度おさまった…とは言っても、体の中で菌がまだいる場合がありますから、処方された薬は必ず最後まで飲み切ることが重要なポイントです。
服用をやめてしまうとふたたび急激に菌が増えてしまい、さらにひどい症状が出ることもあるので、医師の指示に従ってしっかりと薬を飲みましょう。
ちなみに、このオウム病というのは人と鳥類どちらにも感染すると言いましたが、鳥同士でも感染するのでペットの鳥を複数羽飼っている…という方はさらに注意してください。
鳥にあらわれる症状としては、まず元気がなく食欲もない。
さらに体重が減ってしまったり、羽の毛羽立ちや鼻や目に分泌物が見られるという症状がありますので、普段と何か違うな?と思ったら注意しましょう。
妊娠中にインコやオウムを飼ってはいけないの?と思うかもしれませんが、必要以上に近距離で飼育したりせず、フンなどの処理をこまめに行う、手洗いをきちんとするなどの対策をする事でより安全に飼育ができます。
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